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学問のすすめ 福澤諭吉 [本]


現代語訳 学問のすすめ (ちくま新書)

現代語訳 学問のすすめ (ちくま新書)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2013/09/13
  • メディア: Kindle版



渋沢栄一氏の「論語と算盤」が良かったので、古典を読もうと思って、福澤諭吉の「学問のすすめ」を今度は読みました。
渋沢栄一は「氏」がつけられますが、福澤諭吉は福澤諭吉ですねw

それぐらい一万円札と慶應義塾大学で有名ですが、それ以外は何も知らないことに気付きました。
もっと官寄りの人かと思っていましたが、もの凄く民寄りの人だということをこの本を読んで初めて知りました。

「実用性のない学問はとりあえず後回しにし、一生懸命にやるべきことは、普通の生活に役に立つ実学である」と、とっても庶民的なことを、「天は人の上に・・・」で始まる同じ冒頭に言っているのです。

「仮に政府に対して不平があったら、それを抑えて政府をうらむより、それに対する抗議の手段をきちんと取って遠慮なく抗議をするのが筋である」。
「物事の筋道を知る為には、文字を学ばなければいけない。だから、現在学問が緊急に必要とされているのだ」と、明治維新が終わり、士農工商の身分制度がなくなった今、自分自身の努力で自らの道を切り開き、自分の社会的役割をきちんと認識すべきである、と当時の庶民に対して啓蒙したのです。

それが当時の人々にとっては、これからの生き方を示す道標のように思えたのでしょう。
この「学問のすすめ」は70万冊以上売れるという大ベストセラーになったのです。

基本的人権や、政府と人民の約束(社会契約論〕を、事例を出しながら、平易な言葉で分かり易く解説しています。
「人民が暴力的な政治を避けようとするならば、いますぐ学問に志して、自分の才能や人間性を高め、政府と同等の地位にのぼるようにしなければならない」と、庶民側の立場で学問の目的を語っています。

受験勉強をしている時など、何の為に勉強をしているのか分からなくなったりしますが、その本質をこの本では語っています。

なお、渋沢栄一氏の「論語と算盤」では、人民の依るべき道徳、指針を中国の論語に求めていましたが、この本の中では「論語読みの論語知らず」のような学者を散々小馬鹿にするような表現が出てきます。
孔子が生きていた時代と、現代では時代背景が大きく異なっているにも関わらず、論語に出てくる言葉を一言一句重視するのは実用的ではない、と看過しているのです。

そんな小気味よい語り口で書かれた(現代語訳された)この本は、現代人にとっても一読に値するでしょう。


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