『たくらむ技術』 加地 倫三 [本]
よのなか度:★★★
テレビ朝日の人気番組『アメトーク』『ロンドンハーツ』の名物プロデューサーが初めて書いた仕事術の本。
冒頭でアメトークの「運動神経悪い芸人」の企画を例に、番組作りを紹介しています。
・週1回スタッフが集まって定例会議で新しい企画の検討
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・テーマが決定すると、出演者の検討(キャスティングが決まるまで3~4週間)
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・その間、番組中の企画出し(あるあるネタやスーパースローモーションの挿入など)
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・VTR作成のロケや事前アンケートなどの下ごしらえ
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・簡単な流れを記載した台本ができあがるのが収録の前日
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・収録(2時間から2時間半)
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・編集作業(放送時間内に収める為に素材を切り貼りするオフライン作業、テロップ、効果音、音楽、ナレーション挿入)
企画が立ち上がって放送まで2~3ヶ月かかります。
もちろん、その間も毎週の作業が並行して行われます。
特に、編集作業に魂を込めています。
『アメトーク』では、芸人の細かい笑いまで取りこぼさない為に9台のカメラが2時間分、計18時間の素材を使う為、オフライン作業には時間がかかります。
一番関心したのは、テロップの入れ方です。
最近出演者の発言を全てテロップにする、垂れ流しパターンの番組も多々ありますが、『アメトーク』では笑いが最も効果的に活きるよう考えられています。
例えば、芸人のアクションにかぶらないように、コンマ何秒でも置いてからテロップを入れたり、長いコメントを笑いを殺さないように短く絞ったテロップを挿入しています。
全編に芸人へのリスペクトが溢れています。
そうした想いが出演者やスタッフに伝わり、みんなが少しずつ番組を良くしようと頑張っているから、視聴者は楽しく気持ち良く見れている気がします。
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