『"殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』 清水 潔 [本]
★★★
殺人犯はそこにいる。
読み進めていくと、正しく殺人犯が自分の背後にいるような恐怖を感じます。
栃木と群馬の県境で起きた、連続少女殺害事件。
3件目におきた「足利事件」で菅谷利和さんが逮捕され、事件は結末を迎えたかに思えましたが、その後も同地域で2件の少女殺害事件が発生。
不審に思った日本テレビ記者であった著者が調査を開始し、菅谷さんが冤罪であることが判明し、事件から19年後の2009年に釈放。
調査の過程で真犯人と思われる人物を特定し、警察に逮捕を進言するも、DNA型鑑定など警察の威信に関わる問題があり本格的な再捜査はされず、真犯人は今も野放しになっているのです。
警察から無視され、司法から敵視されても、少女5人が殺され、真犯人が捕まっていないという真実をしぶとく追い求める著者。
その動機の一つがあとがきで明らかになります。
殺人犯はそこにいる。
最後まで読むと、このタイトルには、著者の執念と悔しさが滲みんでいることが分かります。
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