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『"破綻―バイオ企業・林原の真実』 林原 靖 [本]


破綻──バイオ企業・林原の真実

破綻──バイオ企業・林原の真実

  • 作者: 林原 靖
  • 出版社/メーカー: ワック
  • 発売日: 2013/07/24
  • メディア: 単行本


★★★

経営に失敗した本を好んで読みます。
成功は結果論であり、他人からしてあまり参考にならない場合がありますが、失敗した場合には失敗する必然性があり参考になると思うからです。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
ノムさんが松浦静山の剣術書『剣談』から流用した名言。


「トレハロース」「インターフェロン」 の量産化に成功して市場を独占し、岡山の雄として讃えられていた林原の破綻について書いた本。
『カンブリア宮殿』で取り上げられ、独特の経営手法が記憶に残る中での破綻だったので、個人的にも印象が強いです。

全体的には、なんともお粗末な話。
林原側もお粗末、銀行側もお粗末。

林原単体では年間70億程の営業利益を出しながら、製薬会社、ホテル、資産管理会社を始めとする関係会社やメソナ活動への資金流出。
研究費や岡山駅前の不動産購入、株式投資に資金を使い過ぎてグループ売上600億に対して1300億の借入という借入過多、それに対しての過小資本。
そして金融機関が最も嫌う、粉飾決算による情報の不透明性。

一方、銀行側もそんな田舎大名にお目付役を送れず、決算の不正に過敏に反応し過ぎて事業の本体は利益計上体質にありながら倒産に追い込む。
ADR(裁判外紛争解決手続)をまとめきれず、弁護士の独断で第一回全行ミーティングの最中に会社更生法を申請。
弁済率は93%と本当に倒産の必要性があったのか疑問に残る所。

林原の破綻については、当時専務として会社を経営していた一族の林原靖が、自らを擁護しながら書いたこの本しか知らないので、真実や思惑は違った所にあるのかもしれません。
しかし、負けに不思議の負けなし。

どうもお粗末な点があったことは否めません。

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