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『金融広告を読め』 吉本佳生著 [本]


金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)

  • 作者: 吉本 佳生
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2005/05/17
  • メディア: 新書


よのなか度:★★

この低金利時代、こちらの預金は当たりでしょうか、ハズレでしょうか。

プレゼンテーション1.jpg




答えはハズレです。




よーく見ると3ヶ月ものと記載があり、注意書きで「キャンペーン特別金利は初回満期日まで適用」と記載されていることから、初回の3ヶ月しかこの金利は適用されません。
その為、年10%の1/4である2.5%の利息しかつきません。

「利息には一律20%が源泉分離課税される」為、税引後の利息は2.5%を0.8倍した2%になります。

更に、円をオーストラリアドルに両替する為替手数料が往復でかかります。
1オーストラリアドルに対して、2円の為替手数料がかかるとして、往復で4円となります。
おおよそ1オーストラリアドルは80円なので、為替手数料は5%(=4円÷80円)となります。

よって3ヶ月で2%の利息しか得られないにもかかわらず、為替手数料は5%もかかる為、3ヶ月で預金を引き出した場合、▲3%と大きく損をするのです。
もし、3ヵ月後に引き出さなくても、その後はずっと低い金利しかかからず、為替レートの変動リスクにさらされ続けるのです。




この本ではこのような金融広告を 個案内しています。
セット販売であったり、投信であったり、変額年金であったり。

複雑なスキームになればなるほど、会計士や弁護士、格付け会社、ファンド運営会社などに支払われる手数料は増えていきます。
そして、複雑なスキームになればバカな消費者は理解できないと思い、手数料も高くしようという心理が金融期間側に働くのです。


外銀はともかく、「良心の塊」である邦銀がそんなことするはずないと思うでしょうか。

銀行も10年近く前から低金利で貸出先が少ないことから、手数料商売にシフトしています。
そんな中でうぶな消費者は、おいしい鴨なのです。


この本は2005年に出版されていますが、低金利、デフレという環境は全く変わっていませんから、金融商品に騙されたくない人は一読をお薦めします。



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ハマコウ

おはようございます

銀行の窓口に行くと 待っている間にいろいろなことを勧誘されるようになりました
気をつけなくてはいけないのですね
by ハマコウ (2012-10-21 07:13) 

mino

ハマコウさん、こんにちは。

全てが全てではないですけど、しっかりリスクは把握したいですね。
銀行の担当も多大なノルマを前にして、金商法が形だけになっていることも多いでしょうから。
by mino (2012-10-21 18:26) 

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